建売住宅と注文住宅、皆さんはそれぞれにどういうイメージをお持ちですか?
私のイメージはこうです。
建売住宅 | 比較 | 注文住宅 |
安い ◎ | 総費用(コスト) | 高い × |
普通 〇 | 品質 | 高い ◎ |
弱い × | 耐震 | 強い ◎ |
普通 〇 | デザイン | オシャレ◎ |
普通 〇 | 住み心地 | 良い ◎ |
効かない × | 設計の自由度 | 自在 ◎ |
不安 △ | 将来性(保証) | 安心 ◎ |
費用は掛かるけど、注文住宅の方が建売住宅よりも全てにおいて上という印象です。
皆さんもこのようなイメージをお持ちではないでしょうか?
では、実際にはどうなんでしょうか?2つを比較してみたいと思います。
注文住宅のメリット
まず注文住宅のメリットを挙げてみたいと思います。
注文住宅は愛着が湧く!
外観、間取り、内装、設備。
自分の思い描く理想の家を作ることができるのが注文住宅です。
コンセントや照明の位置、収納スペースの確保、床や壁紙の色、窓の位置など細かい所まで自分の好きなレイアウトにすることができます。
家の外観にしても、外壁の形や色、屋根の色、窓サッシの色、雨どいの色まで決めます。
建売住宅では、これらは全て決まった形で施工されている為、オリジナリティが皆無です。
外観も似たような家が建ち並び、個性がほとんどありません。
その点、注文住宅は個性が出るので、住んだ時の満足感は大きいです。
時間や手間はかかりますが、苦労した分、家が建った時の感動は大きく、愛着も強くなります。
注文住宅は安心して住める
注文住宅は、建売住宅よりも安心して住めるメリットが多いという点があります。
安心して住める理由 その1
家が作られていく過程を見守ることができる
注文住宅は、基礎工事から上棟、内装工事まで一連の作業を見届けることができるので安心できるというメリットがあります。
”手抜き工事が行われていないか?”
”どんな大工さんが建ててるんだろう?”
不安や気になる部分も現場を見ることで解消できますし、疑問に思ったことがあれば、大工さんにその場で聞いてもいいでしょう。
すでに完成された状態では見ることができない部分も注文住宅は見ることができる。
そこが建売住宅とは違う、注文住宅の何よりの安心材料だと思います。
安心して住める理由 その2
自分達に合った建築工法を選択できる
最近はどのハウスメーカーも、耐震性には優れているため、住宅の強度などに極端な差はありません。
しかし、メーカーごとに住宅の構造や工法に違いがあります。
住宅の工法は大きく2つに分けられます。
1つは、木造軸組工法や鉄骨構造のいわゆる在来工法と呼ばれる柱や梁で骨組みを作って建物を支える工法。
もう1つは、2×4(ツーバイフォー)工法やパネル工法と呼ばれる壁で建物を支える工法です。
耐震性を優先したいなら2×4(ツーバイフォー)工法、広々としたリビングを作りたいなら在来工法といったように、それぞれにメリットデメリットがあります。
それらを自由に選択できるのも注文住宅のメリットです。
注文住宅はアフターフォローがしっかりしている
家が完成した後も、定期的に家の様々な箇所を点検する必要があります。
そして、必要があれば補修を行うことで、家を長持ちさせます。
通常、家には10年間の保証期間(柱や基礎などの主要部分)が存在しますが、ハウスメーカーごとにもアフターサービスが存在します。
対象期間中に起こった不具合や問題箇所を、無償で直してくれるサービスです。
建売住宅と注文住宅では、このアフターサービスに差があります。
我が家のアフターサービス
我が家が建てたハウスメーカーでは入居から3ヶ月、1年、2年、5年、10年ごとに無料点検を行っています。
昨年3ヶ月点検を行った際は、メンテナンスの方が2時間近く家の細かな所をチェックしていました。
もちろん事前に日程確認の連絡をくれます。
直した箇所は次の通りです。
- 壁紙の剥がれ
- 網戸の建て付けが悪く開閉がしにくい
網戸の開閉はその場で直してくれました。
壁紙は接着する箇所のコーキング剤不足と時間の経過によって剥がれてしまったようです。
湿気や乾燥の影響で材木が伸び縮みし、壁紙が剥がれてしまう現象で、入居して2ヶ月くらいで家の至る所でこの現象が見られました。
点検後、後日クロス屋さんが来られ、2時間ほどの作業で補修は終了し、その後は問題なく綺麗な状態です。
メンテナンスの方もクロス屋さんもとても丁寧な対応でした。
このように注文住宅はアフターサービスがしっかりしています。
これなら安心ですよね。
注文住宅は担当営業さんが強い味方になる
注文住宅の場合は、プラン決めから資金計画、着工、引渡しまでの長い期間を、担当の営業さんと共に進めていきます。
すると、お互いの関係も自然と強くなっていきます。
銀行での融資をはじめ、地鎮祭、上棟式の手順はもちろん、うちに限っては着工前の土地の草むしりまでも手伝ってくれましたw
初めての事ばかりで不安もありますが、信頼できる人がいるというのはとても大きいです。
もちろん担当となる営業さんとの相性もあります。
そういった部分も見極めた上でハウスメーカーを選んでも良いかもしれません。
注文住宅は、アフターサービスの内容だけでなく、困ったことがあったらすぐに連絡が取れる存在(担当の営業さん)がいるというのが何よりも大きいです。
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注文住宅のデメリット
注文住宅は安心、安全というメリットがあります。
そして、自由に間取りを設計でき、好みのデザインやこだわりを反映させることができます。
では逆に、注文住宅のデメリットには何があるのでしょうか?
注文住宅はとにかくお金がかかる
注文住宅のデメリットは、建売住宅に比べてお金がかかるということです。
土地、建物、外構、それぞれにお金かかります。
建売住宅では、これらは全て含んだ価格に設定されています。
支払うのは仲介手数料や諸費用のみです。
注文住宅の場合は、諸費用もそれぞれにかかりますし、残土処分費用や地盤改良費用などの想定外の出費が出ることもあります。
内装や設備、間取りにこだわりがあればあるほど、費用も当然かかります。
大体これくらいだろう、と計画していた予算通りにいかないのが注文住宅の難しい所です。
注文住宅は手間と時間がかかる
すでに完成している建売住宅とは違い、注文住宅は、1~10まで全てのことを自分達で決めていきます。
土地探し→ハウスメーカー選択→契約→間取り決め→着工→引渡し→外構
このような流れで進んでいきますが、入居まで早い人で半年、通常は9ヶ月~1年程、それ以上かかる人もいます。
打ち合わせがスムーズにいかなければ、その分、入居までの期間も延びてしまいます。
時間をあまりかけたくない、すぐに入居したい、と言う方には注文住宅はおすすめしません。
建売住宅のメリット
次に建売住宅のメリットです。
建売住宅は注文住宅よりも費用が安い
建売住宅は注文住宅と比べて、土地費用+建物費用+外構費用と全てが一体となった価格になっています。
その為、それぞれに掛かる工事費用や現場管理費用、設計量などが節約できます。
手続きや入居までがスピーディー
建売住宅は業者選びや打ち合わせ、契約手続きなどの時間や手間が掛かりません。
土地(敷地)と建物を同時に購入するため、売買契約も同時進行で行えます。
注文住宅は毎週の打ち合わせを行うなど日常生活において時間を多く取られてしまいます。
時間が取れない、仕事で忙しい、なるべく時間を掛けたくないという人には建売住宅は魅力かもしれません。
資金計画が行いやすい
建売住宅は、必要な資金が明確で、想定外の出費が少ないというメリットがあります。
注文住宅は、地盤改良費用や残土処分費用など実際の費用が明確でない場合が多いです。
30万円と想定していた予算が実は50万円かかります。なんてこともザラです。
なのでその都度、自分達の予算を見直し、オプション費用を削るなど妥協して資金繰りを行っていきます。
建売住宅はマイホーム購入後の引っ越し費用や家具・家電・日用品などの費用、住宅ローンの支払いなど、毎月の支出と将来の資金計画が行いやすいのが魅力です。
仲介手数料が無料になることがある
通常、仲介手数料は『物件売買価格(税抜)+3%+6万円+消費税』で計算できます。
例えば、3000万円の物件を購入した場合、仲介手数料は『3000万円+3%+6万円』×1.08%=1,306,800円(130万円)の仲介手数料がかかるということになります。
これだけでもかなりの出費ですよね。
しかし、売主から直接購入できれば、この仲介手数料は無料となります。
どうすれば、売主から直接購入できるのかというと、不動産情報サイトで”売主物件”や”仲介手数料無料”というキーワードで検索をして探す方法が一つ。
もう一つは自分の足で歩いて探すという二つです。
仲介手数料無料というのは、一つのセールスポイントになるので現地でも目立つ位置にのぼりや看板が表示されているはずです。
なお、これは注文住宅で土地探しを行う場合にも有効です。
購入特典がある
住宅と言うのは一生に一度の買い物です。
その為、各仲介業者も、お客さんを引き寄せるための様々なキャンペーンを行っています。
例えば成約特典として、”10万円分の商品券”や”エアコンやカーテン、LED照明を各部屋に無償で設置”など、特典内容もマチマチなので、それらを見比べて業者選びをすると良いでしょう。
建売住宅のデメリット
建売住宅にも注文住宅とまた違ったメリットがあるということがお分かりいただけたでしょうか。
では、今度は建売住宅のデメリットについて挙げてみたいと思います。
建売住宅は売ったらそれっきり。アフターフォローも期待できない。
建売住宅を購入する場合、不動産業者を相手に売買契約を行います。
物件を担当する営業が仲介を行い、その人を介して契約を結びますが、引渡し後はこちらから連絡を取らない限り、ほとんど連絡はありません。私が実家の建売住宅を購入した時もそうでした。
”引渡し後どうですか?”
”入居してから何か不備はありますか?”
このような連絡は建売住宅の場合まずありません。
購入する業者さんにもよると思いますが、基本的に建売住宅に気の利いたアフターサービスを求めてはいけません。
入居後に何か不具合があっても、すぐに連絡が取れない、誰に連絡をしたら良いのか分からないといった状況になってしまいます。
ですので、建売住宅を購入する際は、保障内容をきちんと把握、不具合があった時はまずどこに連絡をしたらいいか聞いておく、そして何かあった時はすぐに連絡ができるように担当者の名刺などきちんと保管しておく、ということが大切になってきます。
建売住宅は融通が利かない
既に建築されている物件ですので、当然間取りや内装、外観、設備など、全てが決まってしまっています。
建設途中であれば、壁紙の色を変えたり、少しの間取り変更などの融通が利く場合もあります。
しかし、大幅なレイアウト変更はできません。
こだわりの強い人、人と同じものが嫌という人には建売住宅は向いていません。
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まとめ
注文住宅と建売住宅。それぞれの特徴が分かりましたか?
注文住宅のメリットは安心、そして愛着が湧く。
一方で、建売住宅のメリットは、時間や手間がかからず、費用も注文住宅より安く済むという点です。
それぞれのメリットがそれぞれのデメリットでもあるというのがポイントです。
家を購入するにあたって、何を一番重視するのか。
コストなのか、住み心地なのか、立地なのか、間取りなのか。
どちらを選択するかは、それらを決めた上で判断するのが懸命だと思います。